メンテナンスで太陽光発電量アップ!パネル洗浄の方法
太陽光発電は、年月が経つとパネルに汚れが付着して発電量が減少します。定期的なメンテナンスでパネルを清掃することが大切で、発電量の増加以外にも急な故障などのトラブルの回避につながります。パネルの清掃は個人でもできる場合がありますが、方法を誤ると故障することもあるので、正しい清掃法をすることと、専門の業者に依頼することが肝心です。
やってはいけないパネル洗浄の仕方
パネルが屋根の低い位置にあったり、ベランダや庭に設置したりしている場合は、一般の方でも清掃可能です。しかしやってはいけない洗浄の仕方があり、その中で一番やってしまいがちなのが雑巾などの布でゴシゴシと擦る方法です。パネルは透明度の高い強化ガラスでできていますが、強く擦ると傷が生じます。これは雑巾とパネルの間に砂などが入り込んでいるのが原因で、強く擦るってできる傷は、かえってパネルの曇りになり、発電量の低下につながります。
他にも水道水で洗うのも厳禁です。水道水にはカルキが混入しているので、水アカとなってパネルに付着すると取れなくなるからです。使用する水は不純物の混じっていない工業用の水が理想ですが、一般的には水道水に混ぜて希釈して使用します。
自動車や家の壁などを水の力で洗浄する高圧洗浄器も、使い方によっては太陽光の発電量の低下になります。あまりにも強い水量を直接吹きかけることで、パネルが割れたり、フレームと強化ガラスの隙間に水が入り込んだりすることで故障につながるためです。もしもこれが原因で故障を起こした場合は、メーカー保証の対象外になることもあるので、強い水量を直接吹きかけないことが大切です。
このようにパネル洗浄は簡単に見えて意外に気を付けることが多く、できれば専門の業者にメンテナンスと同時に実施してもらうことが、正常な動作の維持になります。
業者が行う太陽光のパネル洗浄の方法
専門の業者がメンテナンス時に行うパネル洗浄の方法は大きく分けると3つあります。一つはマイクロファイバーのモップで拭くことです。柔らかなガラス専用のモップで、傷を付けずパネルの汚れを拭き取ります。一枚一枚丁寧に拭き取ることで、発電量は回復しますが、手作業での作業なので、10kw未満の家庭用のものや50kwの低圧産業用の太陽光発電システムに向いています。
他には高圧洗浄機を使用した方法があり、直接パネルに高圧な水を吹きかけるのではなく、先に回転するブラシを付けて、水を噴霧しながら洗浄します。小規模なものは手作業で拭くこともできますが、大規模なものでは重機に洗浄機を取り付けたものを使用し、モップの回転できれいに汚れを拭き取った後に水で洗い流します。質の高い清掃が可能ですが、水道設備が近くにないとできないのがデメリットです。
これ以外にはロボットを使用するものもあります。家庭で使用している部屋の中に置いて電源を入れると、回転しながら移動して家の中のごみやほこりを吸い取る、家庭用ロボット掃除機と同じ原理なもので、パネルの上に置くと自動で移動して清掃を行います。人の手の届かない位置にあるパネルも楽に掃除できるのがメリットですが、値段が高いのがネックです。
通常専門の業者は、これらの方法を設置場所に合わせて使用します。
どんな方法でもパネル洗浄で落ちない汚れ
パネル洗浄を実施しても落ちない汚れがあります。これにはどんな方法を使っても無理な汚れという意味以外に、「無理に落とすとパネルに傷がつき、かえって発電量の減少になること」と、「最初からきれいにする必要のない汚れ」があります。
この汚れには鳥のフンがあり、この汚れは太陽光パネルの表面を侵食していて、いくら洗っても跡が残り、パネルの曇りとなるものです。洗い終わった後には目立たないけど、しばらく経つと白く浮き出るもので、完璧に洗うことは不可能です。しかし、この汚れは発電量やガラスの強度には関係がないことがほとんどで、無理やり磨いてきれいにする必要はありません。
他にも付近でなにかを燃やした時に出た灰や、外壁塗装を施した時に飛び散った塗料などがパネルにくっついたものも取り除けません。しかしこれらも表面のガラスに食い込んでいるもので、発電量に影響のない小さな汚れですが、近くで野焼きをしない、屋根の塗り替えや外壁の塗装などのリフォーム時には、業者の人に飛び散りがないような対策を講じてもらうことが大切です。
落とす必要のない汚れとしては、パネルの表面でない箇所の汚れです。たとえばパネルの側面にあるフレームの汚れなどは発電量にはまったく影響しないもので、落とす必要はありません。ただし架台のサビなどがメンテナンスで見つかった場合は、腐蝕の防止の措置が必要になります。
パネル洗浄の基本は丁寧に優しく洗うことで、ガラスに傷をつけることなく、汚れや曇りを取り除くことが基本です。3つの方法があり一般の方でも実施できますが、メンテナンスと同時に専門の業者や、設置した機器のメーカーに定期的に実施してもらうことが、発電量の安定につながります。