太陽光発電は火災が起きやすい!火事を防ぐにはメンテナンスが必須!
現在、太陽光発電を導入されている方や、これから検討されている方の中には、火災の危険性について気にされている方もおられるのではないでしょうか。太陽光発電の火災の原因や定期的なメンテナンスの必要性、もし火災が起こってしまった時の保険の適用などについて解説していきます。
太陽光発電システムによる火災の原因
ここでは、太陽光発電システムによる火災の原因について解説していきます。
主な火災の原因
太陽光発電システムにはソーラーパネルだけではなく、様々な部品が使われていますが特に火災の原因となるのは「パネル・ケーブル」「パワーコンディショナー・接続箱」になります。
「パネル・ケーブル」が原因の火災については、ネズミなどの小動物がケーブルをかじることにより漏電が起きてしまい、屋根にたまっていた落ち葉や鳥の巣に着火してしまうことがあります。施工時にケーブルを挟み込んでしまったり、余った配線を無理やりにまとめて設置したために出火するなどの事例があります。
「パワーコンディショナー・接続箱」が原因の火災については、施工時のミスや製品の初期不良などがあります。パワーコンディショナーのはんだ付けや絶縁の不良が事例としてあります。
設置する方法で延焼することも
太陽光発電の設置方法には「屋根置き型」「鋼板等敷設型」「鋼板等付帯型」「鋼板等無し型」の4つがあります。
これらのうち、「屋根置き型」「鋼板等敷設型」「鋼板等付帯型」は、ソーラーパネルと防水シートの間に鋼板などの不燃材料を挟むことで「野地板」と呼ばれる屋根の下地材への延焼する火災は起きていません。しかし「鋼板等無し型」はソーラーパネルと防水シートの間に不燃材料などのさえぎるものが何も無いため延焼する危険性があります。
火災を防ぐには定期的なメンテナンスが必須
火災や事故を防ぐ
太陽光発電の火災を防ぐには、定期的なメンテナンスがとても重要です。上記の火災の原因となる損傷や漏電の箇所を事前に確認して修繕することで火災を防ぐことができます。メンテナンスで行なうのは主に3つです。
1つ目は「定期点検」です。住宅用の太陽光発電は定期点検の義務が設けてありませんが、4年ごとの点検が推奨されています。定期点検では、パネルやパワーコンディショナーのほか、周辺機器の点検・電圧や絶縁抵抗の測定も行います。
2つ目は太陽光パネルの掃除です。パネルにはほこりや鳥のフンなどで汚れてきます。パネルの清掃を行なうことで発電効率を保ちます。
3つ目はパワーコンディショナーの交換です。パワーコンディショナーとは直流の電気を交流に変換するための装置です。パワーコンディショナーの寿命は平均で10年から15年といわれています。
発電の効率を維持する目的も
また太陽光発電の必要性は火災を防ぐためではなく、発電効率を維持する目的もあります。メンテナンスをせずに放置しておくと、経年劣化により、太陽光パネルの発電効率が低下してしまいます。
太陽光パネルのメンテナンスを怠った場合、設置後10年を経過すると発動効率は平均で3%から5%ほど低下します。
さらに20年を経過すると15%~20%も低下してしまいます。発電効率が下がると発電量の低下につながります。そのため、定期的な点検やメンテナンスがとても重要です。メンテナンスを自力でやろうと思う方もいるかもしれませんが、屋根からの転落や感電のリスクなどもあるため専門のメンテナンス業者に依頼するのがいいでしょう。
もし火災が起こってしまったら保険はどうなる?
何らかの原因で太陽光発電の火災が起こってしまった場合、火災保険の補償の対象となります。火災保険の補償対象の種類には、「建物」と「家財」に分けられますが、太陽光発電はほとんどの場合「建物」に含まれる補償対象になります。しかし太陽光発電の種類によっては「家財」に含まれる対象になる場合もあるので、現在契約している、または契約する予定の保険会社に確認するといいでしょう。
太陽光発電の補償対象となるのは、太陽光パネル、パワーコンディショナーの他、架台やケーブルなども対象になります。また太陽光発電を後付けで設置した場合は保険の契約の見直しをすることが必要です。これは太陽光発電を設置すると、その分の建物の評価額が上がってしまい、火災などが起こった場合に補償額が十分に補償されないことになってしまう可能性があるからです。
太陽光発電の主な火事の原因は部品の不具合や施工不良が挙げられます。そのため、定期的なメンテナンスがとても重要になってきます。メンテナンスを行なうことにより、火災を未然に防ぐだけでなく発電効率を維持する目的もあります。もしも火災が起こってしまったら、太陽光発電は火災保険の補償対象になっています。しかし太陽光発電を後付けした場合、補償額が不十分になる恐れもあるため、契約の見直しをすることがおすすめです。